拙僧が殺めたのだ

鉄鼠の檻を読みました。本作はとにかく人物を把握するのが大変でした。坊さんがたくさん出てくるからです。坊さんの名前をしっかりと追わないと・・・。しかも坊さんの宗派も重要なのでますますわからなくなります。高校では地理とってましたから、仏教のことなんてほとんど知りません。しかし、この本を読んでいる最中から、禅が気になって仕方ありませんでした。禅というかその思想というか世界というか。でも出家はしませんけどね。あとがきにもありましたが、これほど分かりやすく仏教のお話をしてくれる本はないんじゃなかろうか。他の本を読んだことがないので比較できませんが。それと京極堂の憑物落としのとき、寺の謎が解けた段階ですっきりしすぎて犯人も分かっていないのに終わったと勘違いしてしまいました。京極堂シリーズを読むときは、作中で一見不可解なことが起きても、「これは不思議なことではなく、真実はとても簡単なことなんだよ関口君」と自分に言い聞かせて読んでいます。それでも毎回「な、なんだって〜!!」とやられてしまいます。これが快感で読んでいるといっても言い過ぎではないです。